初心者向け ざっくりEDH環境まとめ
2021年1月21日 Magic: The Gathering 需要あんのかな?Chronoです。まあ環境の復習がてらということで。
カルドハイム発売まであと2週間程度、EDHでは収穫が多いセットになりそうで個人的にはかなり嬉しいです。
とはいえ既存の環境を根こそぎ塗り替える、それこそ昨年のタッサの信託者のようなカードはなさそうそうそうあってたまるかなので、個人的にですが現状の環境を新しくEDHを始める初心者に説明しようかなと。
Chronoの先入観が多分に入り混じっている+EDHは地域によってパワー格差があるので話半分程度に受け取っていてください。
1 始まって1~2ターンで決着することはほぼない。ワンパターンなゲームというわけでもない
はじまって1~2ターンで決着というのはガチ卓に対して持たれがちな先入観ですが、今はもうそんなことはほぼないです。閃光禁止前はまあ2キルくらいは普通にありましたが、今のガチ卓ではキルターンは平均して4~6ターンくらい、下手をすると10ターン以上かかることも。
理由は大別すると二つ。1つは現状の最もコンスタントな勝ち筋であるデモコンオラクルがソーサリータイミングでの勝ち筋で、卓のどこかから妨害を食らう展開を避けるために手札を溜め込んで打ち消し合戦になりがちのため。そしてもう一つは、統率者ピッチスペルやかなり面倒なヘイト生物が増えたせいで勝ちに繋がらない脳死大量ドローが敬遠されはじめたりサーチに対するリスクが認知されるようになってしまった上で除去と打ち消しも増えて互いに足を引っ張り合う展開が増えたため。
むしろ軽いジェネラルで堅実にアドをとりつつ隙を見て仕掛けるというのが一般的です。
また、有用なフィニッシュ手段こそ絞られてはいますが打ち消し合戦が激化したためゲーム中での立ち回りを意識する割合が増え、ゲームとしてはかなり複雑化したという風に感じています。カジュアル卓にありがちな、マナフラして土地ばっかりおいたり、半端な生き物をみんな並べても盤面が膠着しっぱなしといった状態になりづらいので多様なゲーム展開を楽しめるかと。
2 赤が強い
ChronoがEDHを始めたことは赤は本当に不遇色でした。ぶっちゃけWheel of Fortuneと背信のオーガくらいしか取り柄がないと言っても過言ではなかったレベルでしたが、この2年である意味その2枚を鼻で笑うようなレベルの異次元なカードが投下されました。
現EDH環境最強のマナ加速である波止場の恐喝者、再利用可能なせいである意味ヨーグモスの意志以上にぶっとんでいる上に直観から1枚コンボに入る死の国からの脱出、そして予想以上に柔軟に働く偏向はたき。ぶっちゃけた話、赤の強さの半分はこのカード3枚に集約されていると言っても過言ではありません。
更に統率者レジェンズでは1t目から統率者ピッチを構えることが出来るロフガフフの息子、ログラクフや赤単色のマナ加速兼3ドローというログラクフと相性抜群のカード、ジェスカの意志が加わりました。削剥のようなカードも地味に環境的には追い風です。
対照的に立場を落としたのは緑でしょう。夏の帳は自分のコンボを守るのには有効ですが、相手のアクションの打ち消しのように使うのは難しいですし、緑単色のゴリラエルフジェネラルやイーサーンは敵対工作員や船殻破りを出されるとロクに除去が出来なくて乙ります。速度で押し切るにもジェネラルという明確な弱点を晒したままではヘイト生物を殺すために増えた除去の格好の的で、数回妨害されればコンボ完走はほぼ不可能。また、ログラクフ+サイラスのようにキルターンが大差ないうえで打消しを構えられるデッキも出現し、空中戦の弱さがより際立つように。青緑のキナン、緑黒のギトラグのような強ジェネラルはいるものの、緑単色のマナクリエルフジェネラルはかつての勢いを失ったのではないかと。
あ、白単独は相変わらずクソザコです。
3 ライフは大事
120点のライフを殴って削るのが現実的になったわけではありませんが、閃光の禁止とともにむかつきの価値が上昇し、それに付随する形でライフをリソースにするデッキの割合が大きく増えました。また、ロングゲームになりがちということは当然コンバット回数もクリプトでの自傷も増え、結果としてライフが地味にピンチになる機会が増えています。ナジーラのようなライフに圧をかけられる軽量ジェネラルは悪くないかもしれませんね。新生化で引っ張ってこれるトスキも出てきますし。
4 統率者は軽さが正義
ログラクフが最も分かりやすいですが、トラシオス&ティムナやアキリ&ティムナのような、軽くて単独でアドバンテージを稼げるジェネラルが人気です。理由は大きく分けて4つ。
その1 統率者ピッチを構えられる
フルタップでも最序盤でも打ち消しを構える余地が出来たのはかなり大きいです。持っているかどうかではなく、持っていそうかどうかが大事なんです。それでもぶっぱするしかないデッキはそうするんですが、打消しを探して1ターンロスしてくれるだけでも儲けものでしょう。
その2 ドラニスの判事の妨害を受けない
一度出されると自分以上に他人を縛るため除去するに除去できないことがしばしば起きます。せっかく実質手札が+1されているのでさっさと出してしまった方が得です。
その3 殺す価値がない
これもログラクフがもっとも分かりやすいですが、統率者ピッチやジェスカの意志のような統率者依存系カードを使うターンを速めることが出来るとはいえ、どうせ次のターンには帰ってくるようなカードにわざわざ除去を使いたくはないでしょう。軽量ジェネラルは押しなべて地味ですし。EDHにおいて単体除去を使うということは、他人からすれば何もせずに二人で削り合ってくれたようなもので美味しい展開ですしね。
その4 殴ってアドバンテージを稼ぐジェネラルへの牽制
ティムナ、ナジーラ、エドカスなどのジェネラルを最も効率よく封殺する方法は単純で、とにかく戦闘ダメージを通さずジェネラルを最低限通さないサイズの生物を出すことにつきます。
5 ヘイトを稼がない立ち回りが大事
通せばGGなコンボやロックはともかく、ゲームの途中でせっせと稼いだちょっと卓の中で優勢になれるアドバンテージ程度では卓のヘイトが高まればあっという間に集中砲火を受けて消し飛んでしまいます。例えばいきなりエルドラージみたいなクソデカファッティを投げつけてきた相手には卓の三人は結託するでしょうし、ファッティを守ろうと何らかのアクションをとっても三人から妨害やら除去やらがとんでくればまずどうしようもありません。オープンリーチ即死みたいなのは完全に悪手。復帰困難なレベルでメタメタにされる可能性もあります。ちなみに、EDHで殴りジェネラルがきつい理由の一つでもありますね。ヘイトが露骨すぎて、寿司コンボを握ってるかもしれない相手よりも危険に見えてしまうのです。
というわけで、除去されにくい、わざわざ除去したくない生物を使ってひっそりアドを稼ぐのが今のEDHにおける主流。トラシオスでちまちま土地を伸ばし、オークヘイムの敵対者は接死を嫌がって生き残るおかげで数枚ドローできる。ウーロがちょこちょこ殴ってきても、船殻破りや敵対工作員のためにソープロは温存。ゆっくり手札を補充して、誰かがコンボを始めて隙を見せたタイミングでこちらが決める、といった立ち回りが望ましいですね。
ニムリスやラシュミのような放置しておけば延々アド稼げるマシーンも1:1なら即除去で済むのですが多人数戦だと誰かが全体除去で流すだろうと判断されてスルーされがちですし。
6 色は増やし得
血染めの月や強烈な特殊土地メタもありますが、卓に一人いるかどうか程度でしかないため(というか卓に特殊土地メタが刺さらない相手が多いならメタる必要ないですよね)基本的にEDHでは多色が強いです。特に有用な統率者ピッチを構えられるグリクシス3色は優秀で、そのうちの2~3色を安定して運用するために緑のマナクリを噛ませるケースが多い印象。対抗色クラウドランドの参入も追い風ですね。
7 ヘイト生物
ドラニスの判事・船殻破り・敵対工作員の三種は大方の予想通りEDH環境をかなり大きく変化させました。こいつらをコントロールしているから勝てるというわけではないのですが置かれていたら明らかに勝てなくなるのもまた事実。正直なところ、個人的には勝つわけでもなくただ不快なだけで、各種リセットの様に特別な下準備も不要なこの3種は禁止されてもいいんじゃないかとは思っていますね。カジュアルゲームで楽しくない要素を全面に押し出したカードってどうなのよ。逆に宝石の睡蓮みたいなカードは上振れ大暴れの派手なゲームに繋がるので存在自体は肯定派、今みたいに供給量を絞ることに反対派です。クリプトも櫃もカジュアルに浸透しない理由はただ単に高すぎるからですし、ほぼ統率者でしか使わないんだからカジュアル層まで使いやすいようにもっと大量にばらまいた方が参入ハードルも下がって統率者人口も増えて売り上げ的にもプラスになると思うんですけどね?
閑話休題。
というわけで、偏見にまみれた(?)EDH環境紹介でした。まあGPみたいな大規模イベントがないので答え合わせしようがないんですけどね。
カルドハイム収録のEDHでのお楽しみカード紹介は次回あたりにでも。ではでは。
プレイングとかも書こうと思ったんですがケースバイケースが多すぎてどうしようもないやつー!
カルドハイム発売まであと2週間程度、EDHでは収穫が多いセットになりそうで個人的にはかなり嬉しいです。
とはいえ既存の環境を根こそぎ塗り替える、それこそ昨年のタッサの信託者のようなカードはなさそう
Chronoの先入観が多分に入り混じっている+EDHは地域によってパワー格差があるので話半分程度に受け取っていてください。
1 始まって1~2ターンで決着することはほぼない。ワンパターンなゲームというわけでもない
はじまって1~2ターンで決着というのはガチ卓に対して持たれがちな先入観ですが、今はもうそんなことはほぼないです。閃光禁止前はまあ2キルくらいは普通にありましたが、今のガチ卓ではキルターンは平均して4~6ターンくらい、下手をすると10ターン以上かかることも。
理由は大別すると二つ。1つは現状の最もコンスタントな勝ち筋であるデモコンオラクルがソーサリータイミングでの勝ち筋で、卓のどこかから妨害を食らう展開を避けるために手札を溜め込んで打ち消し合戦になりがちのため。そしてもう一つは、統率者ピッチスペルやかなり面倒なヘイト生物が増えたせいで勝ちに繋がらない脳死大量ドローが敬遠されはじめたりサーチに対するリスクが認知されるようになってしまった上で除去と打ち消しも増えて互いに足を引っ張り合う展開が増えたため。
むしろ軽いジェネラルで堅実にアドをとりつつ隙を見て仕掛けるというのが一般的です。
また、有用なフィニッシュ手段こそ絞られてはいますが打ち消し合戦が激化したためゲーム中での立ち回りを意識する割合が増え、ゲームとしてはかなり複雑化したという風に感じています。カジュアル卓にありがちな、マナフラして土地ばっかりおいたり、半端な生き物をみんな並べても盤面が膠着しっぱなしといった状態になりづらいので多様なゲーム展開を楽しめるかと。
2 赤が強い
ChronoがEDHを始めたことは赤は本当に不遇色でした。ぶっちゃけWheel of Fortuneと背信のオーガくらいしか取り柄がないと言っても過言ではなかったレベルでしたが、この2年である意味その2枚を鼻で笑うようなレベルの異次元なカードが投下されました。
現EDH環境最強のマナ加速である波止場の恐喝者、再利用可能なせいである意味ヨーグモスの意志以上にぶっとんでいる上に直観から1枚コンボに入る死の国からの脱出、そして予想以上に柔軟に働く偏向はたき。ぶっちゃけた話、赤の強さの半分はこのカード3枚に集約されていると言っても過言ではありません。
更に統率者レジェンズでは1t目から統率者ピッチを構えることが出来るロフガフフの息子、ログラクフや赤単色のマナ加速兼3ドローというログラクフと相性抜群のカード、ジェスカの意志が加わりました。削剥のようなカードも地味に環境的には追い風です。
対照的に立場を落としたのは緑でしょう。夏の帳は自分のコンボを守るのには有効ですが、相手のアクションの打ち消しのように使うのは難しいですし、緑単色のゴリラエルフジェネラルやイーサーンは敵対工作員や船殻破りを出されるとロクに除去が出来なくて乙ります。速度で押し切るにもジェネラルという明確な弱点を晒したままではヘイト生物を殺すために増えた除去の格好の的で、数回妨害されればコンボ完走はほぼ不可能。また、ログラクフ+サイラスのようにキルターンが大差ないうえで打消しを構えられるデッキも出現し、空中戦の弱さがより際立つように。青緑のキナン、緑黒のギトラグのような強ジェネラルはいるものの、緑単色のマナクリエルフジェネラルはかつての勢いを失ったのではないかと。
あ、白単独は相変わらずクソザコです。
3 ライフは大事
120点のライフを殴って削るのが現実的になったわけではありませんが、閃光の禁止とともにむかつきの価値が上昇し、それに付随する形でライフをリソースにするデッキの割合が大きく増えました。また、ロングゲームになりがちということは当然コンバット回数もクリプトでの自傷も増え、結果としてライフが地味にピンチになる機会が増えています。ナジーラのようなライフに圧をかけられる軽量ジェネラルは悪くないかもしれませんね。新生化で引っ張ってこれるトスキも出てきますし。
4 統率者は軽さが正義
ログラクフが最も分かりやすいですが、トラシオス&ティムナやアキリ&ティムナのような、軽くて単独でアドバンテージを稼げるジェネラルが人気です。理由は大きく分けて4つ。
その1 統率者ピッチを構えられる
フルタップでも最序盤でも打ち消しを構える余地が出来たのはかなり大きいです。持っているかどうかではなく、持っていそうかどうかが大事なんです。それでもぶっぱするしかないデッキはそうするんですが、打消しを探して1ターンロスしてくれるだけでも儲けものでしょう。
その2 ドラニスの判事の妨害を受けない
一度出されると自分以上に他人を縛るため除去するに除去できないことがしばしば起きます。せっかく実質手札が+1されているのでさっさと出してしまった方が得です。
その3 殺す価値がない
これもログラクフがもっとも分かりやすいですが、統率者ピッチやジェスカの意志のような統率者依存系カードを使うターンを速めることが出来るとはいえ、どうせ次のターンには帰ってくるようなカードにわざわざ除去を使いたくはないでしょう。軽量ジェネラルは押しなべて地味ですし。EDHにおいて単体除去を使うということは、他人からすれば何もせずに二人で削り合ってくれたようなもので美味しい展開ですしね。
その4 殴ってアドバンテージを稼ぐジェネラルへの牽制
ティムナ、ナジーラ、エドカスなどのジェネラルを最も効率よく封殺する方法は単純で、とにかく戦闘ダメージを通さずジェネラルを最低限通さないサイズの生物を出すことにつきます。
5 ヘイトを稼がない立ち回りが大事
通せばGGなコンボやロックはともかく、ゲームの途中でせっせと稼いだちょっと卓の中で優勢になれるアドバンテージ程度では卓のヘイトが高まればあっという間に集中砲火を受けて消し飛んでしまいます。例えばいきなりエルドラージみたいなクソデカファッティを投げつけてきた相手には卓の三人は結託するでしょうし、ファッティを守ろうと何らかのアクションをとっても三人から妨害やら除去やらがとんでくればまずどうしようもありません。オープンリーチ即死みたいなのは完全に悪手。復帰困難なレベルでメタメタにされる可能性もあります。ちなみに、EDHで殴りジェネラルがきつい理由の一つでもありますね。ヘイトが露骨すぎて、寿司コンボを握ってるかもしれない相手よりも危険に見えてしまうのです。
というわけで、除去されにくい、わざわざ除去したくない生物を使ってひっそりアドを稼ぐのが今のEDHにおける主流。トラシオスでちまちま土地を伸ばし、オークヘイムの敵対者は接死を嫌がって生き残るおかげで数枚ドローできる。ウーロがちょこちょこ殴ってきても、船殻破りや敵対工作員のためにソープロは温存。ゆっくり手札を補充して、誰かがコンボを始めて隙を見せたタイミングでこちらが決める、といった立ち回りが望ましいですね。
ニムリスやラシュミのような放置しておけば延々アド稼げるマシーンも1:1なら即除去で済むのですが多人数戦だと誰かが全体除去で流すだろうと判断されてスルーされがちですし。
6 色は増やし得
血染めの月や強烈な特殊土地メタもありますが、卓に一人いるかどうか程度でしかないため(というか卓に特殊土地メタが刺さらない相手が多いならメタる必要ないですよね)基本的にEDHでは多色が強いです。特に有用な統率者ピッチを構えられるグリクシス3色は優秀で、そのうちの2~3色を安定して運用するために緑のマナクリを噛ませるケースが多い印象。対抗色クラウドランドの参入も追い風ですね。
7 ヘイト生物
ドラニスの判事・船殻破り・敵対工作員の三種は大方の予想通りEDH環境をかなり大きく変化させました。こいつらをコントロールしているから勝てるというわけではないのですが置かれていたら明らかに勝てなくなるのもまた事実。正直なところ、個人的には勝つわけでもなくただ不快なだけで、各種リセットの様に特別な下準備も不要なこの3種は禁止されてもいいんじゃないかとは思っていますね。カジュアルゲームで楽しくない要素を全面に押し出したカードってどうなのよ。逆に宝石の睡蓮みたいなカードは上振れ大暴れの派手なゲームに繋がるので存在自体は肯定派、今みたいに供給量を絞ることに反対派です。クリプトも櫃もカジュアルに浸透しない理由はただ単に高すぎるからですし、ほぼ統率者でしか使わないんだからカジュアル層まで使いやすいようにもっと大量にばらまいた方が参入ハードルも下がって統率者人口も増えて売り上げ的にもプラスになると思うんですけどね?
閑話休題。
というわけで、偏見にまみれた(?)EDH環境紹介でした。まあGPみたいな大規模イベントがないので答え合わせしようがないんですけどね。
カルドハイム収録のEDHでのお楽しみカード紹介は次回あたりにでも。ではでは。
プレイングとかも書こうと思ったんですがケースバイケースが多すぎてどうしようもないやつー!
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